母になった日。

子どものいる住まい
昨日は、息子の誕生日でした。
私が、母になった日です。

息子は、「みゆう設計室」の一部です。
私にとって、ものの見方が大きく変わったのが「出産」だったんです。

それまでの住宅設計では、女性目線でデザインしていたものの、どこか「自分目線」でした。

出産と育児を通して、自分の思い通りにはならない、その時のその環境やその人の気持ちによって、心地良さも使いやすさも変わってくるのだという事を知りました。

こそだて中のお母さんは、子どもばかりに手がかかって何もできないように見られることが多くて不思議でならない。

だって、こそだて中のお母さんって、そのときの気分や体調や成長段階によって、どんどん変わっていく「子ども」と「家族のかたち」に柔軟に対応して暮らしを整えていくんですよ。

すごい能力だと思うんです。

「些細なことだけど、気になるんです。」

育児本やら、ライフスタイル本やら、いろいろ素敵な暮らしを見せているので、そうしないといけない、と思いがちな人も多いのですが、しっかり子どもと自分の関係、家族との関係を見れば、その暮らしに合った住まいのカタチも見えてきます。

素敵な暮らしをしないといけない、なんてことはありません。
その家族が心地よい暮らしができれば。

ニュートラルに対応できるお母さんは、それができるんです。
そういう、「母の姿」、「母の感覚」を知ることで、私の今の「家づくりの仕方」が生まれたと思っています。

「些細なことだけど、気になるんです。」

その言葉はすごく正直なことば。
気になるという感性に、素直になって良いんです。

屋号を「みゆう設計室」にした理由

そして、私は事務所を開設した時に、屋号に息子と娘の名前からとった、「みゆう」という名をつけることにしました。
子どもたちを産み、育てていることと同じように、家をつくり、育んでいく。
そんな気持ちを持って。

家を建てたい、というご家族の気持ちに寄り添って、家族の暮らしを、住まいのカタチに落とし込んでいく。
そんな、母としての家づくりの原点。

息子の誕生日は、母として家づくりをするようになった私が生まれた日でもあります。

思春期突入で日々言い合う母と息子ですが、それでもたくさん話していられることがしあわせです。
おめでとう。