古きを活かして、心地良い暮らしをつくる

 古い本棚を活かすリノベーション
竣工を前に、急ピッチで工事を進めている京都のリノベーション「昭和ガラスの家」
養生がとれて、工事中ずっと待っていてくれた「本棚」が顔を出しました。

お帰りなさい。

正直、この本棚を撤去した方が工事しやすかったはずですが、残した状態で工事してもらいました。
工務店さんと、大工さんが頑張ってくれたおかげです。

床の強度も増してたわみが減ったことで、今まで開きにくかったという本棚の引違扉も開くようになりました。

みゆう

主婦・母目線で住宅設計をしている女性建築士みゆうが書いています。
この記事ではリノベーションの設計をした「昭和ガラスの家」について書いています。

新築とリノベーション、どちらが良いの?

外観も、内観も、間取りも、新築のように見えます。
表面上の「新しさ」だけではなくて、構造も補強していますし、設備配管配線も新しくしています。

正直新築にした方が費用がかからないのではないか。
という話は何度も繰り返してきました。

  • 新しくても新建材で安く仕上げるよりも、暮らしや心地良さを感じる素材で。
  • サッシを入れ替えて高気密にするのも良いけど、できることなら古い模様の型ガラスのサッシや、木製のサッシは残していきたい。
  • 新しいものよりも、古いものの方が落ち着くけれども、生活に不具合が出てくるようなものを改めて、暮らしやすくしたい。

迷いこそあっても、今あるものを活かしたい、という思いを大事にしたので、リノベーションにすることがより良い選択であったと思います。

これはN様のご家族の暮らし方に合う選択。
無理に新築にしましょう、とか、リノベーションの方が良いです、ということはありません。

もちろん、私の好みや意見は言いますけどね!

古さを活かした風景

古ガラスを再利用したドア
基本的に内部の仕上げや建具は全て入れ替えました。
ですが、以前使っていた建具のガラスは処分せず、新しい住まいの建具に入れています。
これは、工務店さんの協力なしにはできないことですね。

欄間を活かすリノベーション
もともと2階の2室の間にあった欄間は、1階の和室の前に設けられました。
2階は子ども部屋になり、欄間はつけないで!とお子さまから言われていたので処分しないといけないのかな?と思われていたそうですが、この欄間が活きる場所に移設しています。

冷気が入って和室が寒くなってしまわないような納まりにもしています。
以前の家にあったものが戻ってくると、少しずつ「古いものの良さ」が戻ってきますね!

いくつか残工事あってのお引き渡しになるのですが、ここに暮らしが戻ってくるのも楽しみです。

「昭和ガラスの家」