舌癒着症とは~赤ちゃんの手術、舌癒着症講演会

舌癒着症をご存知ですか?

我が家の子供たちは助産所で出産しています。
妊婦さん、赤ちゃんの出産リスクが高いと助産所での出産はできません。

でも、健康な妊婦さん、赤ちゃんにはとても自然なお産をサポートしてくれます。
助産所で出産した人以外にも、助産所は母乳育児のサポートをしてくれます。
娘の出産後、ケアをしてもらっているときに助産所の先生から「舌癒着症かな?」と言われました。

健康だけれども顔色が悪かった娘

母乳育児をしようと思うお母さんたちが多くなっているようですが、赤ちゃんが上手に母乳を飲んでくれない、おっぱいが出ない・出過ぎる、乳腺炎などのトラブルを抱え、母乳育児をやめてしまう人もいるみたいです。

私が出産をした助産所は、いつもとてもリラックスする雰囲気なので、産後の育児に対する不安もなくなり、助産婦さんたちの暖かいサポートでスムーズに母乳育児を始める事ができました。

ところが、娘は体をいつも突っ張らせていて、顔色が悪い。いつも怒ったような顔をして、うなってばかりいました。

そこで、助産所の先生にお伺いすると「舌癒着症かな?」と言われました。

舌癒着症とは

舌の付け根が前に位置するためにおきる舌の運動障害と、舌の後ろの喉頭(咽頭と気管の間の部分)喉頭蓋(喉頭の前上方にある軟骨を支柱とする舌状の突起)、気管が前方に倒れ、空気の通路が狭くなるためにおきる呼吸抑制によって起きる症状のことを言います。

効率良く酸素を取り込めないのだそうです。

舌の裏の一部分を切るという、数秒の簡単な手術を行う事で呼吸が楽になり、これらの症状が改善されます。
しかし、この手術を行ってくれるのは、諸事情があって、神奈川県大和市にある「向井診療所」だけだと聞きました。

うちは私の実家が関東なので、即、手術の予約をし、手術を受けに行く事にしました。

舌癒着症は9割以上の人が抱えている

舌癒着症は9割以上の人が抱えているもので、私自身、そして息子も、「舌が前方にある」と言われています。

赤ちゃんの場合、母乳を飲むとき舌を出そうとすると、鼻と気管がずれて息ができなくなり、呼吸が苦しくて母乳が飲めない。
無理矢理飲もうとすると乳首を傷つけてしまう、ということがあるそうです。

この呼吸の影響で、娘は横にすると「うなる」、おっぱいを深く飲もうとしない、常に体を突っ張らせている、という症状を抱えていました。

舌癒着症の赤ちゃんの手術

神奈川県大和市にある「向井診療所」で簡易な手術ができるということで行ってきました。

生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんの手術は神経が成長していないので、痛み止めの座薬だけで手術をします。
十数人いた他の赤ちゃんと順番にレーザーで手術をされるそうです。その間ほんの数分、あっという間に終わりました。

舌癒着症の術後の変化

娘は術前の検査で過呼吸の状態にあったそうです。

娘は手術の翌日、それまで色黒だった娘の顔の色が、時間が経つにつれ白くほんのりピンク色に変わっていった状態をみて驚いてしまいました。

手術の時にいた看護婦さんが、翌朝の診察のとき、「あ、あの黄色かった子、白くなったね」と言われました。

手術をした赤ちゃんのなかで一番黄色い顔をしていたらしいんです。
私の姉は娘の事を「ガングロコギャル(色黒でいつもにらみをきかせてうなっていたので・・・)」と呼んでいたのですが、手術後のやわらかく色白の娘の顔を見て「あれ、顔が白い・・・」と言ったくらいです。

娘は生後1ヵ月半でこの手術を受けたので、術前術後の症状の変化も大きかったようです。

やはり人間は成長していく中で、できるだけ多くの酸素を取り入れるように体を作っていくので、大人が手術を受けて、娘のような変化が必ずあるとは限らないようです。

その後、神戸で「舌癒着症講演会」開催のお手伝いをしました

神奈川県大和市の向井診療所の新田先生、神奈川歯科大学の山本先生を迎えて、
神戸で「舌癒着症講演会」を開催しました。

神戸でこの講演会を開催されるのは、神戸に舌癒着症を考えるママたちの会があるからです。
私と同じく助産所で出産をした方たちなどが、赤ちゃんの呼吸や母乳育児のトラブルを抱えたことで、この「舌癒着症」を知り、同じように赤ちゃんの成長に不安を感じるお母さんたちが少しでも不安を解消させることができるように、この「舌癒着症」とは何かを知る場所を提供しています。

(※現在は活動を終了しています)

年に数回、先生方が神戸に来られて講演会を開催しますが、毎回育児不安を抱えたお母さんたちがこの講演会に来られます。
この講演会の開催は助産所を中心に予告するだけなのですが、毎回70人程度の座席が満席・立ち見になります。

この舌癒着症の手術を受けることが改善の全てではなく、手術を受けることが改善のスタートだ、と新田先生は言われていました。

私も手術を受ければ全て良くなるとは思っていません。
ただ、一つの手段を知る事で、一つの不安が解消する事ってありますよね。

※2006年時点のブログです。現在はこの勉強会は活動を行っておりません