「インナーテラスのある家」の設計日記、設計契約~実施設計完了

計画がスタートした大阪のN様邸のタイトルを悩んでいましたが、「インナーテラスのある家」に決めました。
他にもいろいろテーマはあったのですが「インナーテラス」を設けるアイディアがN様の暮らしに大事なポイントになりそうです。

今日はN様と水回りの方向性を決めるために住宅設備機器メーカーさんのショールームへ。
まずはどんなものがあるか知ってもらうことと、どんなポイントに気づかう必要があるか。あと、N様ご夫妻のお好みを知ることが今回の目的です。

みゆう

建築士事務所を営み、住まいの設計をしている女性一級建築士「みゆう」が書いています! この記事では「インナーテラスのある家」の家づくりの過程を過去ブログからピックアップして掲載しています。

基本設計~実施設計

基本設計・実施設計

住宅設備機器のショールーム見学は疲れないように!

設備のショールーム見学
洗面所とお風呂との床のつながり感などもポイント。
たくさんの情報を得すぎてN様が混乱されることのないように、できるだけピンポイントに見て頂くようにしました。
それでもお疲れになるのではないかと気になります。

情報ってたくさんありすぎると、何が良いのかよく分からなくなります。
プランの方向性はほぼ決まりましたので、次回は具体的な住宅設備機器の提案に進んでいこうと思います。

2011.07.24

行き詰った時は、立ち止まる

先週末から立て続けに打合せでしたが、一生懸命ご夫婦の意見をまとめようとしてくださっていて感謝です。
確かに早急に決めないといけない部分はありますが、実際少し余白をもって決めても良い部分もありますので、まだ焦らなくても大丈夫です。

ご夫婦で気になることをメールで頂いて、迷われている内容を伺いました。
技術的なことも含めて、少し行き詰った感じになりました。
そんな時に一瞬考えを止めて、立ち止まり、一番最初の「こんな暮らしが夢」と伺った内容を思い出してみました。

ふっと、思いついて、プランを修正してみる。この夢をかなえてあげたい。と、思ってご提案したプランを気に入って頂けたようです。
まだこれから詳細を詰めていく中で整理することはたくさんあると思いますが、今日喜んで頂いたこと、こんな家に住みたいという希望という原点を振り返る余裕を持つことが大事だな、と思いました。

2011.08.28

ショールームにてパーツと素材のセレクト

タイルのセレクト
ショールームにて再び打合せ。ユニットバスの仕様とタイルの最終確認をしました。
小さなことかもしれませんが、溝のお掃除の仕方、水垢汚れのつき方など、気になる部分とそれでも選ぶ部分を確認していきます。
納得した上で選んだものはお手入れするのも満足できるのですが、納得せずに決めたものはこれを選ばなければ良かったと思いがちです。
納得がいって最終的に決まれば、それで良い!と思います。
タイルも見た目だけでなく、汚れやすさや、お掃除の仕方なども考えながらセレクトします。
2011.09.17

照明器具のセレクト

パナソニックの照明関係のショールームに行ってきました。
ダウンライトや建築的照明は設計側で選ぶことが多いので今までお客さまとショールームに行ったことがなかったのですが、ダウンライトひとつでも蛍光灯とLEDの違い、また色の違い、光の拡散の違いなどを部屋の種類によってシュミレーションすることができたので、なかなか面白かったです。

LEDの器具の取り扱いについては私も勉強中なので、採用する上での検討事項が分かりやすかったです。
建築的な照明の説明をするのには照明のショールームは良いですね。

2011.09.28

実施設計

実施設計~納得して答えを出す

実施図もやっとかたちになってきて、あと少しで見積に出せるくらいの図面になりました。
図面を描いていき、内容を整理していくと、この提案の効果があるだろうか?と少し疑問に感じていた部分が。
お話してみると、期待した効果があらわれないのなら省いた方がよいかもしれない、というご意見。
あ、言って良かった、と思った瞬間でした。

今日の打合せで、すこしもやもやっとした部分が、いくつかそぎ落とされた感じがします。
N様からは「こんなに悩んで、変えてもらってごめんなさい!」と言われましたが、私としては気になる部分を着工前に解消できてよかったのです。

N様が悩んで納得して答えを出された部分は、きっと、家の中のお気に入りの場所になると思います。
完成した時に、強く「良かった」と思う場所は、悩まれた場所であることが多いのです。
N様のお住まいが完成した時、今日の記事を読み返してニヤリとしているといいなあ・・・。

2011.10.08

ルンバの定位置

N様から「こんな家がいいなあ・・・」と伺った内容から
たくさんのデザインアイディアが生まれています。
そのアイディアをかたちにするのも何とも楽しいものです。
最初にご相談に伺ったときから奥さまが言われていたのが
「ルンバの定位置」
を作ってほしいとのこと。
ロボット掃除機、ルンバ
私も欲しいです。
1フロア、ルンバでお掃除しやすいプラン。
そして、ルンバの基地は暮らしの中心にあるけれど
うまく隠れるようになっています。
今までは掃除機を置く場所を事前にお伺いするようにしていましたが
これからはルンバの定位置をお伺いするようになるのかもしれませんね。

2011.10.10

木造3階建て住宅、構造計算中

ホームズ君3D架構図
新しい木構造の構造計算ソフト、ホームズ君構造EXを導入しました。
以前使っていたものを更新しようと思っていたこともあり迷っていたのですが、日本住宅・木材技術センターの「木造建築物電算プログラム認定」をとったとのことで、これを機に導入することにしました。
内容によっては構造事務所さんにお任せするのですが、大阪N様邸はシンプルな架構なので構造計算まで行うことにしました。

3Dで架構を見せてくれるのでわかりやすいですね。
一部、??と思う部分はありますが(笑)この軸組の姿が見られるのは上棟の時のみ。
その日を思い浮かべて、頑張って図面進めております。

2011.10.14

実施設計ひと段落・・・

一番最初の心地良い配置イメージ

計画初期の心地良い配置イメージ

実施設計図がまとまりました。思ったより作図に苦戦してしまいましたが・・・。
N様はご夫婦とも、家づくりの事をとっても真剣に考えてくださり、たくさんお二人で話し合いされて納得のいくものを選ばれています。
こだわりのポイント、とても好きな空間をしっかりお持ちなので、随所にそのデザインを盛り込むようにしています。

ちょっと冒険して提案した要素も気に入って頂いたことは本当にうれしいことです。
工事着工まであと少し!

2011.10.20

地盤調査

地盤調査

今日は地盤調査の立ち会い。
台風の通過を考えて今日にしていたのに、準備をして頂いている間に雨・・・。
大きなパラソルを機材の上にさして、作業して下さっています。

調査の状況は良さそう。データが楽しみです。

2011.09.05

工事前、内容確認の模型作成

吹き抜け部分の模型

実施設計図は一通りまとまり、最後の内容確認、という段階。
内容は今までも確認してきていますが、図面ではなかなか伝えたいことが伝わりにくいこともあります。
なので、図面確認と合わせて、模型を見てもらうことにしました。

この模型を見てもらって、リビングからのキッチンの見え方、空間のつながり、土間空間の明るさなど雰囲気をつかんでいただけたようです。
建具の形状なども見て頂いてもう一度一緒に使い方を考えられました。
奥様、しばらくニヤニヤしながら見て楽しんでくださいね♪
こんな模型、つくってもらってありがとうございます、と言って頂きましたが、もう少ししたら、こんなおうちができるのですよ♪楽しみですね!!

2011.10.30

家族の習慣を、積み重ねていける家

先日打合せの時に
「半年に一回家族写真を撮っています」
というN様のお話を伺いました。
ちょうど撮影に行かれる前日だったこともあり
そんな話題になったのですが
私がイメージしたのは
家の中に毎年毎年の家族の写真が並べられている光景。
そして
新しく完成した家でのご家族の笑顔。
伺っていたらちゃんと写真の定位置を考えたのですが・・・
とご主人に伝えると
そのためにピクチャーレールもつけて頂きますし・・・
と言われ
あ、そうか!
と気づいたわけです。
そんな家族の習慣を、積み重ねていける家を
ご家族と共に作っております。
家を建てるのはこれからですが
その光景が想い描かれて
私の仕事はなんて素敵な仕事なんだろう
と、とても嬉しく感じました。

2011.11.24

おーい!と声を掛けたくなる空間

ダイニングと窓でつながる個室

打ち合わせに持って行った模型。
この模型を見て頂いて、いくつか質問がメールで届きました。
なかなか図面で全てを説明するのは難しいので、確認して頂けて良かったです。
そして、このお住まいの好きなところのひとつ。リビングと主寝室、書斎をつなぐ窓。「おーい!」と声をかけたくなる空間。

ということをツイッター仲間につぶやいてみたところ「家だけじゃなくて、家族の時間を作っているんだね」という素敵な言葉を頂きました。
家族の時間をつくるのは私ではなく、その家のご家族なのですが、家のかたちで家族の時間をイメージしています。

私の家づくりには「家族の暮らし方、家族の時間」がとっても重要な要素。
ホームページでも「家族のお気に入りの暮らしをつくりませんか」ということばを入れています。
私はその要素を引き出して、住まいのかたちにしていくのが仕事です。過酷な仕事ではありますが、とても楽しい仕事です。

2011.10.31