要望通りに設計すると「家づくりに失敗」することもある

夕やけ

今日はひとつ、ご提案をお持ちしました。
提案と見積をみて、正直「満足はされていないな」と感じました。

最近、リフォームではこのケースが多いのです。
私の初回提案は「要望に忠実」を心がけています。

これが仇となることが多々あるのです。

リフォームにはビフォアアフターの「明確な改善」が必要

初回のご相談の時に「家族の暮らし方」についてたくさんお話します。
家族の性格、家族の関わり方、好きなもの、趣味、家族が過ごす時間・・・

新築の場合はそれをシンプルに間取りに落とし込めば良いのですが、リフォームは元の「家」があるので簡単にはいきません。
リフォームの場合は「今ある空間」と「新しく変わる空間」の差、つまりビフォアアフターの差も重要なポイントになります。

なぜリフォームをするか、ということがとても大事で、その理由が明確ではないとリフォーム前後の「差」をあまり感じられないのかもしれません。
明確な改善をしたいけれども、重要な改善点を引き出すのはリフォームの方が難しいなと感じます。

要望に反した提案をする勇気は出ない

要望が本来の希望と合っているのか否か分からないこともあります。
そこで、要望に忠実にプランを持って行きます。

自分の中では、その提案をお持ちすることでもやもやすることもあります。
結構真面目なので、要望に反した提案ができないんですね。
でももやもやした案をお持ちすると、やっぱりクライアントも「違う」と感じるようです。

ですが、その「違う」と感じることはとても大事で、「違うと感じたこと」を改善できると家づくりに失敗しません。つまり「違う」と感じるもの(もやもやした気持ち)を放置すると、家づくりに失敗してしまうことがあるのです。

つまり、最初の要望に忠実な提案は、とても役立つのです。
クライアントの希望通りにした家が本当に満足のいく家なのか、ということが明確になりますから。

今日はそのようなもやもやさせてしまった提案を通してお客さまとよくお話し、その後「違う」と感じた気持ちを解放しました。その後、「デザインの神降臨」!!!面白いデザインが生まれましたよ。

良かったー、ほっとしました!!

リフォーム提案の時は「忠実バージョン」と「オススメバージョン」2案持って行くべきだなと感じた瞬間でもありました。

魔法をかけたような住まいの絵が出てくると思った

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家族の暮らし方、家族の関わり方について本気で話し合い、最初の要望から大きく変わった暮らしを手に入れた「K様邸」。

初回の提案をお持ちしたとき、K様から
「みゆうさんなら、魔法をかけたような憧れの住まいの絵が出てくると思った」
と言われたことは今でも衝撃であり、本来求めていた暮らしに対してお互いまっすぐ向き合ったことで家族の心地良い暮らしをつくることができたのではないかなと思っています。

今日たまたまK様からメールが届きました。
とても快適に暮らしています、とのこと。

また今度訪問しますね!!