先日打ち合わせで造作家具の面材についてお話をしていて、サンプルで見たイメージと、仕上がった家具のイメージとの違いについて話題にあがりました。
オリジナルの家具を作る時に、やはり「ご予算」は重要なポイント。
コストをかけていい部分と、抑えたい部分を考え、調整しやすいのが「仕上げ材(面材)」ですので、今回は造作家具の面材の比較を紹介してみたいと思います。
目次
突板の面材の造作家具
突板とは薄くスライスした本物の木を表面に貼り付けた材料。
色んな樹種を使った突板の造作家具
まずはみゆう設計室事務所の壁面デスク収納
サンプルとなるように、いろんな樹種の扉材を配置してみました。同じ突板でも白い塗装とクリア塗装と使い分けています。
上部の扉は左から「ナラ・クリアー塗装」、「メープル・クリアー塗装」「ナラ・白色塗装」、「ナラ・クリアー塗装」です。間のオープン棚は「シナ・白色塗装」としています。
下の引出し、中央2段引出しの白い引き出しは「シオジ・白色塗装」交差している茶系の引出しは「クルミ・クリアー塗装」です。
この3段引出しは、上から「シオジ」、「サクラ」、「ウォールナット」です。
こちらは全てクリアー塗装。
事務所の家具は「白塗装」をしたものを除いて基本的に木の色をいかしたデザインにしました。
シナ以外、木目のある扉に白塗装したのは実験ではありましたが、なかなか面白い仕上りになりました。
メープルの突板仕上げの家具
こちらのファミリーデスクは「メープル、クリアー塗装」です。
コストを抑えられる「シナ」の突板
この他によく使われるのが「シナ」です。
コストが抑えられることと、シンプルなので着色で雰囲気を変えられます。
まずはクリアー塗装のもの。
トイレ奥の引違収納のハコ部分。
洗面化粧台下部収納と、隣合う収納家具。
こちらも洗面台下部の収納。
シナの突板、白色塗装
他によく選ばれるのがシナの白色塗装です。
こちらはキッチンカウンター収納、リビングダイニング収納(テレビ台を含む)
キッチン背面収納がシナの白色塗装になっています。
こちらはキッチンの面材がシナ白色塗装。塗装の濃さやツヤの度合いによっても少し雰囲気が変わるので、その空間に合った塗装の指示をします。
シナの突板に濃茶の塗装をしたもの
次はシナに濃茶の塗装をしたもの。
濃茶と言っても色の違いはあるので、メラミンのサンプルを利用し色の指示をします。
こちらはリビングダイニングの壁面収納。
こちらはキッチン下部面材です。
ツヤの違いで雰囲気がだいぶかわりますね。
メラミン化粧板で仕上げた家具
「メラミン化粧板」は、表面層はメラミン樹脂、中心部はフェノール樹脂で積層形成したプラスチック板で、かなりリアルに木目や石目がみられる化粧板です。
風合いのある木目のメラミン化粧板
こちらは少し見えにくいですが、集成材のカウンターの下に収納の箱と扉を設けています。
扉は塗装色と少し近く、風合いのあるメラミンで。
左が扉の見本。右がカウンターの塗装見本です。
アクセントカラーで使用した無地のメラミン化粧板
全体はシナの突板で仕上げた壁面収納ですが、全部濃い色になってしまうと圧迫感を感じるかもしれないと思いましたのでアクセントに薄紅色のメラミン化粧板を使用しています。
レザー調の白と濃茶のメラミン化粧板
こちらのキッチンはレザー調の白と濃茶のメラミンを使用しています。
安価なポリ板
一般的に「ポリ板」と言われる、ポリエステル化粧合板。
化粧紙と合板等を貼り合わせた上にポリエステル樹脂を塗布し、フィルムをかけてロールで樹脂を延ばして硬化させたものです。
強度はメラミン化粧板ほどではないのですが、安価なのでコストパフォーマンスが良いです。
白ポリのパーティクルボード
こちらの鏡扉がある収納は納戸に設けた下足箱です。
中途半端に設けられたスペースを有効利用していますが、扉は鏡貼り、箱は白ポリのパーティクルボードを使用しています。
こちらも同じ納戸の収納ですが、同じ白ポリのパーティクルボードでアルミフレームの扉の収納です。
天井までの収納ですっきりしています。このスタイルの家具はキッチンでも選ばれることが多いです。
ハンドル、引手の金物で雰囲気が変わる家具
その家具のデザインを考えてハンドルやツマミ、引手などの金物を選びますが、「手が触れる」場所でもありますので、汚れや開け閉めの頻度も考えて、その場所で使いやすいものをセレクトします。
そのあたりもセレクトできるのがオリジナル家具の魅力です。
全て同じ取っ手である必要はない
ひとつの家具で複数の取っ手を使い分けることもあります。
足元にはブロンズの2タイプの取っ手を使っています。
上部にはアクリルの取っ手を。
雑貨屋さんやネットショップで取っ手を購入
最近は雑貨屋さんやネットショップでかわいい取っ手を探しやすくなりました。
少し雰囲気を持たせるときはお客さまに選んでもらったり、私が雑貨屋さんやネットショップでセレクトすることもあります。
こちらのトイレカウンター下部収納の取っ手も、空間に合いそうなものを私がセレクトし用意しました。
雑貨屋さんですごくかわいい取っ手を見つけて、これに合わせた家具をつくってみたい、というアイディアにもお答えします。
シンプルなステンレスの取っ手
こちらのキッチンは、キッチン側はシンプルなステンレスの取っ手。背面の収納は掘り込み取手にしています。
掘り込み引手もいろんなスタイルがありますが
こちらは手をかける部分に溝を掘ってもらうスタイルで。
お子さんがいる家庭だと
・取っ手があると引っ張りやすいし、ぶつかることもある
・形状によっては取っ手に引っかかる
ということで掘り込みにすることは多いです。
以前、バー状の引手の家具をよじのぼってしまうお子さんの話を伺いました。
そちらのご家庭の家具も掘り込み引手にしました。
また、こちらのトイレの引違戸の収納のように
端に上から下まで通して金物を設けるケースもあります。
このブログについて
このブログはみゆう設計室が2006年から書いてきたブログの過去ログを集めています。ブログ記事の「整理、リノベ、リサイクル」です!!
みゆう
家事が楽になる家を建てたい。子育てしやすい家を建てたい。 家が少し古くなって仕上げをきれいにリフォームしたい、中古の家をもっと暮らしやすくリノベーションしたい。また、これから中古物件を購入してリノベーションをしたいけれど、本当にリノベーションの方が良いのか、新築にしたら良いのか分からない。 そんな方に、住まいの見た目を良くするだけではなく、暮らし方を改善するためのご提案までできるのがみゆう設計室です。 いえづくりに関するお悩みはお気軽にご相談ください。
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