オリジナルのキッチンをデザインするポイント

みなさん、お正月をゆっくりお過ごしですか?
帰省や旅行に行かれている方もいるかもしれませんし、ご自宅でゆっくりされている方もいらっしゃるかもしれませんね。

今年はどんな一年にしていこうか、という話もあるかもしれません。
消費税増税のことを考慮し、家づくりを始めようという方もいらっしゃるかもしれませんね。

ということで
家づくりで料理をつくる奥さまが一番大切にされる場所
キッチンをデザインするポイントについて紹介していこうと思います。

キッチンカウンター(天板)と面材(扉材)の比較

まずはキッチンカウンター(天板)と、と面材(扉材)について写真を見比べていただこうかと思います。

人工大理石カウンターとシナ突板の扉

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こちらは、「インナーテラスのある家」のキッチン。
オープンキッチンですが少しだけ手元を隠した立ち上がりを設けています。
天板は白の人工大理石。
扉の面材は、キッチン側がシナのクリア
背面キャビネット側がシナの白色塗装です。
レンジフードはアリアフィーナのサイドフェデリカ白色です。

ステンレスカウンターとメラミンレザー調の扉

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こちらは「キッチンを囲む家」のキッチン
天板はステンレス、シンクは既製品
面材はメラミンのレザー調の白、濃茶をつかっています。
こちらのレンジフードもサイドフェデリカ、ステンレス色です。

人工大理石カウンターとシナ突板の白色塗装

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こちらは「フレンチナチュラルスタイルの家」のキッチン
シンク部分のみアイランドになっています。
天板は人工大理石の白、立ち上がり壁は室内の壁と同じシラス壁
面材はシナの白色塗装です。
一部施主支給の取手を使用しています。

人工大理石カウンターとシナ突板濃茶塗装

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こちらは「岡山の家」のキッチン
人工大理石の白のカウンターで、シンクも白の人工大理石です。
面材はこちらもシナなのですが
濃茶に塗装しています。
少しツヤを出した雰囲気が高級感を感じさせるキッチンでした。

ステンレスカウンターとOPEN収納のキッチン

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こちらは「森を望む家」のキッチン
天板はステンレスで、シンクもオリジナルのものです。
全てオープンで、簡易な作りで良くて
キッチン下部の棚を作ったり買い足したりして
少しずつ使いやすいキッチンを作っていく、というご要望のキッチンでした。
GAGGENAUの600幅の食洗機部分のみメラミンレザー調の濃茶
他はシンプルな白で。
換気扇はプロペラファンで
ステンレスのボックスで囲っています。
皆、建築主の暮らし方、望むイメージに合わせたデザインをしているので
それぞれがそれぞれの魅力を持つキッチンだと思います。

収納のデザインもそれぞれ

一般的な引き出しにも寸法的な配慮をしていますが
「これを入れたい!」という希望があったものについて紹介します。

一升瓶がすっきり収納できる引き出し

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まずは「岡山の家」のキャビネットです。
手前の引き出しは幅が狭いのですが
この内部に設けられている内引出しは少し奥まった状態で取り付けています。
このキャビネットには「一升瓶」を入れたい
というご要望があったためで
高さのある一升瓶を、スペースの無駄なく収納できるように作ってあります。

ホットプレートの定位置

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こちらは「インナーテラスのある家」のキッチン背面収納です。
下部に浅い引出しを設けているのですが
ホットプレートの定位置としています。
ホットプレートの置き場が無いキッチンも多いかもしれませんが
下部の収納は取り出しにくい場所でもありますので
このような定位置を設けてあげるのは便利だろうなと思っています。

キッチン家電の収納スペース

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こちらも同じく「インナーテラスのある家」のキッチン
こまごまとしたキッチン家電の収納をおさめるスペースとして設けています。
これらの家電の寸法をチェックして、高さや幅を細く決めました。

シンク置きできるカゴを置ける収納

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こちらは「キッチンを囲む家」の開き扉の収納。
シンク置きできるカゴを置くことが可能です。

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日常はシンクにカゴを置いて
洗いあがった食器を上げるために使いますが
これだけオープンなキッチンなので
来客時にそのカゴが出ていることが気になるかも・・・
ということで考えたアイディアです。
キッチンは使いやすいことに加え
お気に入りの空間であり続けるために
「きれいな状態」を保てるデザインであることが必要。
収納できないものが見えてしまうことで
すっきりしないことが不満につながるかもしれません。
もちろん日常では使いやすいように出ていても良いものが
来客時やリラックスしたいときに隠せるようになっていること
それもオープンなキッチンでは大事にしているポイントです。

内部をオープンとして少しずつ収納を作り上げていく

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また、こちらの「森を望む家」のキッチンのように
内部をオープンとして少しずつ収納を作り上げていくという方法もあります。

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使いやすさを考えながら
少しずつ変化し、少しずつ使い込まれるキッチンとなるでしょう。
その変化の過程も知りたいなと思えるキッチンです。
キッチンの使い方は、その使い手によって変わります。
そのご家庭の使い方に合わせたオリジナルのキッチンづくりは
とても楽しいですよ。

生活感あるキッチンツールを置くスペース

次は生活感あるキッチンツールを置く方法について紹介します。

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まずは、シンクのみアイランドの
「フレンチナチュラルスタイルの家」のキッチンです。
カウンター側から見るととてもすっきりしたキッチン。
シンク側の下部にはすっきり見えるための工夫をしています。

シンク下をオープンに

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シンク下はオープンになっています。
こちらにはふきんなどを掛けておけるように取外し可能なバーを。
このアイディアは他の物件のキッチンでもよく採用されています。
シンク下は湿気がたまりやすいので
収納スペースにしないケースが多いのですが
ここにゴミ箱や、小さいお子さんがいる家庭はステップを置かれているようです。
そして写真でスライドしている部分は
まな板収納。
まな板は使ってすぐに収納しにくいので
(食洗機がある場合は大丈夫ですが・・・)
まな板を置くための定位置があるとキッチンがとてもすっきりします。

包丁用のトレイ置場

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まな板収納のとなりは包丁用のトレイ置場です。
包丁の本数もその家庭によるので、必ず伺うようにしています。

全て「見せる」オープン収納のキッチン

次は「森を望む家」のキッチン。
こちらは全て「見せる」オープン収納のキッチンです。

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オープン収納なのですが、1ヶ所だけ隠したものが・・・。

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浄水器です。
お手持ちの浄水器を使うために、浄水器置場を設けました。

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こちらは引越しされたからのキッチン。
とても使いやすそうに配置されています。
まな板も見せて収納。
オープン棚の上のものも、風通し良くしたい、というご要望があったので
棚の下部、横に窓を設けています。

ダイニングから見えにくい下部に家電収納スペース

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次は、「インナーテラスのある家」のキッチン。

ダイニング側からの目線で少し見えにくい下部に家電収納スペースを設けています。
(電子レンジは棚上部に置く計画です)
また、背面の吊戸棚の一番下の段は、少し浅い固定棚になっています。
こちらにはお盆やトレイを置くことを考えています。
トレイをこの吊戸棚から下のカウンターに下ろし、そのまま配膳、というような流れを想定しています。
お盆や桶など浅いけれど径が大きいものは収納場所に困りがちです。
しかし、頻繁に使うご家庭もあります。
(特にお子さんが小さいと、お子さん用のトレイやマットを使うご家庭が多いようです)
よく使う物を、使いやすい場所に置く。
これが家事を楽にする収納方法のポイントとなります。

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こちらのキッチンは最後までまな板収納の方法を迷われていたのですが
最後にアイディアがふっとわいてきたのがこちらの方法。
もともと、シンク下にタオルやふきんを掛けるためのバーを設ける計画だったのですが
これを4本にしてまな板も置けるようにしてあります。
バーは外すことも可能です。
シンク下はオープンにすることで収納量が減るように思われますが
オープンだからこそ多機能なスペースにもなるのです。

オープンキッチンでも来客時にすっきり見せられるキッチンに

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こちらは「岡山の家」のキッチン。

とてもスタイリッシュな人工大理石のシンクに、USAGIの水栓。
ここに食器洗い用のスポンジや、洗剤を置くのはちょっと・・・
生活感が見えてしまいますよね。
もちろん、日常はそれでも問題ないのですが
来客時などは収納しておけるように・・・

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包丁刺し(チャイルドロック可能な物)を深めのキャビネットに設けています。
ここに並べてスポンジなども置くことを想定しています。
これらも、想定、なのですが
キッチンのデザインをするときに収納方法を考えておけば
オープンキッチンでも
来客時にすっきり見せられるキッチンとなります。
最後は「キッチンを囲む家」のキッチン。

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こちらは前回の記事でも紹介しましたが
洗い物かごを置くスペースを設けているキャビネットです。
こちらを開き戸収納にしましたので
扉の内側に包丁刺しを設けています。

家事の仕方に合わせたデザインのキッチン

これらのキッチンはそれぞれ家事の仕方に合わせたデザインとしています。

今回紹介したキッチンは全て、神戸スタイルキッチン&リフォームさん製作によるオリジナルのキッチンです。
神戸スタイルさんとあーだこーだ悩んでコストをかけずに使いやすい方法を相談し、練りに練ったアイディアばかりです。
今年も魅力的なキッチンデザインのお住まいの設計をしたいなと思います。
もちろん、オーダーだけではなくメーカーさんのキッチンを入れることも可能。
それが自分たちのオリジナルの家づくりだと思っています。
主婦ならではのキッチンデザイン、いかがでしたか?
また別の機会に、キッチンデザイン比較や、アイディアの紹介をしていきたいと思います。

みなさんはどのキッチンがお好みですか?